シャープペンを使っていると、「芯がよく折れるなぁ」と小さなストレスを感じたことはないでしょうか。
そんな悩みに応えるペンとして知られているのが、今やシャープペンの定番となっているゼブラのデルガードです。
「もう、折れない。」を基本コンセプトに掲げるデルガードは、発売から約2年でシリーズ累計販売本数1000万本を達成した大ヒット商品です。
この記事では、「デルガードは本当に折れにくいのか」をテーマに、文房具店で20年以上勤務していた筆者が、デルガードの折れにくい仕組みを徹底解説します。
また、カタログスペックだけではわからない、普段使いでの折れにくさを実際に検証していきます。
「自分に合うシャープペンを見つけたい」「デルガードって本当に折れにくいの?」と考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事でわかること
- デルガードが「折れにくい」と言われる理由と仕組み
- 実際の使用を想定した条件での折れにくさ
- 書き方や力のかけ方によって、挙動にどんな違いが出るのか
- デルガードが向いている人・向いていない人の傾向
デルガードとは?|折れにくさに特化したシャープペン

デルガードは、「芯が折れにくいこと」に最大の特徴があるシャープペンです。
シャープペンを使う中で多くの人が感じる「芯が折れるストレス」に対して、真正面から向き合って作られたモデルといえます。
従来のシャープペンは、書き心地やデザインなどを中心に設計されてきました。
一方デルガードはそれらに加え、「折れにくさ」 を重視して設計されている点に特徴があります。
筆圧が強い人や、書いている途中で芯を折ってしまいやすい人に向けた、実用性重視のシャープペンといえるでしょう。
デルガードが発売されたのは2014年。
当時は「折れにくい」と大きくうたったシャープペンはまだ多くなく、私自身も最初は本当に売れるのかは半信半疑でした。
しかし店頭に並べてみると、一般的な新製品と同じかそれ以上に売れ行きが良く、すぐに追加で仕入れた記憶があります。
特に筆圧が強めな学生さんには反応が良く、受験シーズンには「芯が折れにくいシャープペン」という認識でよく手にとられていました。
ただし、その評価は使い方や条件によって変わる可能性もあり、使用感がつかめないと考える人も多いでしょう。
そこで今回は、デルガードがなぜ折れにくいと言われているのかを整理したうえで、
実際の使用を想定した検証を通して、その実力を確認していきます。
まずは、デルガードが折れにくいと言われる仕組みから整理してみましょう。
参考:https://www.zebra.co.jp/pro/detail/del_guard/|ゼブラ株式会社
デルガードの折れにくい仕組みを整理
デルガードが「折れにくい」と言われる理由は、
芯そのものではなく、シャープペン本体の構造にあります。

一般的なシャープペンでは、筆圧がそのまま芯にかかります。
一般的なシャープペンのポイント
- 筆圧がそのまま芯先に伝わる
- 斜めに書くと、さらに負荷が集中
- 芯が細いほど折れやすい
そのため、強く書いたり、斜めに力が加わったりすると、芯が耐えきれず折れてしまうこともあります。
デルガードは、こうした「芯にかかる負担」を減らす設計にポイントがあります。
デルガードのポイント
- 強い力がかかると、芯が内部に引き込まれる
- 芯先に力が集中しにくい
- 「折れない」ではなく「折れにくい状態を作る」仕組み
デルガードは、芯そのものが強くなるわけではなく、
強い力がかかったときに芯を内部へ逃がす構造になっています。
この構造により、書いている最中に芯の先端へ集中しがちな力を逃がし、
折れやすい状況そのものを作りにくくしているのです。
「筆圧に耐える構造」ではなく、「折れにくい状態を保つ」と言ったところでしょうか。
ただし、この仕組みはあくまでデルガードの構造上の工夫であり、
使い方や書き方などの条件によって感じ方が変わる可能性もあります。
そのため、「仕組みの上では折れにくい」のですが、
「実際に使って折れにくいのか」は使用してはじめてわかる事なので、検証の必要があると考えました。
ただ実際には、20年以上の接客経験の中でお客様がこのような細かい構造に興味があると感じたことはあまりありません。
多くの人が求めているのは、「本当に折れずにかき続けられるのか」という、商品に対する単純な納得感です。
デルガードは構造が優れているから売れたというわけでもありません。
実際に使うと「本当に折れない」と実感できるシャープペンなので、多くのユーザーの信頼を勝ち取ったからこそヒットにつながったのではないかと感じています。
次の章では、「元ぶんぐ屋店長の私が実際に書き倒して感じたデルガードのすごさ」を検証していきます。
どのような条件で行ったのかを具体的に整理して説明します。
検証方法|どんな条件で試したのか

デルガードの折れにくさを確かめるにあたり、
普段使いで本当に折れないかを基準に検証を行います。
「折れにくい」と言われる仕組みが、日常的な書き方の中でどこまで機能するのかを見るためです。
今回の検証では、「折れにくいシャープペン芯5選」で紹介した複数の芯を使用しています。
芯ごとの優劣を比べるのではなく、デルガード本体の挙動に大きな差が出るかどうかを確認する目的のためです。

検証で確認するポイント
今回の検証では、以下のポイントで折れにくさを検証します。
- 通常の筆記の場合
- 筆圧を強めにかけた場合
- 斜めから力を加えた場合
※補足として、書き続けたときの感覚もあわせて確認します。
検証条件について
検証条件は、一般的な使用を想定して設定します。
- 使用するシャープペン:デルガード
- 芯の太さ:一般的によく使われる0.5㎜
- 使用シーン:ノートに筆記
- 書いた文字数:各700字
検証結果|芯は本当に折れにくいのか
ここからは、実際にデルガードを使用して検証した結果を整理します。
前章で整理した条件をもとに、書き方の違いによって挙動にどのような差が出るのかを確認していきます。
なお、結果は「折れた/折れなかった」だけでなく、
書いている最中の感覚や違和感の有無も含めて見ていきます。
1.通常の書き方では折れにくいのか
まずは、一般的な筆記を想定した条件での検証結果です。
強く力を入れず、普段どおりの筆圧で文字を書いた場合、
芯の折れやすさにどのような違いが出るのかを確認します。
この条件は、「デルガードを特別意識せず使った場合にどうなるか」を見るためのものです。

700文字の筆記中に芯が折れることはありませんでした。
グリップがプラスチックなのですべりやすいと感じます。
連続筆記をすると多少、腕の疲れがでてきました。これはグリップ部分のすべり具合に神経を使ったためと思われます。
パッケージに書いてあるように、4回以上ノックすると芯が折れやすくなるため、1回ノックした状態、2回ノックした状態、3回ノックした状態で書いてみました。
筆圧をかけていないのでスプリングが戻る感触もなく、特に違和感なく筆記を続けることができました。
2.筆圧を強めにかけた場合の挙動
次に、意識的に筆圧を強めた状態で検証します。
デルガードの「折れにくい仕組み」が最も働くとされる条件です。
筆圧をかけたときに、芯がどのように動くのか、折れにくさに変化があるのか
といった点に注目します。

意識的に筆圧をかけると、スプリングの効きが強く感じられます。
また、芯がパイプに吸収される感覚が強くあるので、通常の筆記よりも折れにくさは明確に感じられます。
私が700文字の筆記中に芯が折れる事はありませんでした。
なので、不意に筆圧が強くなりすぎて折れてしまうという心配はないと考えられます。
スプリングの戻りが激しいので、通常筆記の際に筆圧を強くかけ続けるのは現実的ではありません。
3.斜めから力が加わったときはどうか
続いて、斜め方向から力が加わる場面を想定します。
姿勢が崩れたときや、ノートの端に書くときなど、日常的に起こりやすい状況です。
この条件では、デルガードの構造がどこまで芯を守るのかを確認します。
※補足として、筆者は左利きのため、
文字を書く際に芯へ斜め方向の力がかかりやすい書き方になります。
その条件でもどうなるか、という視点で結果を確認しました。


200文字を書いたところで1度折れましたが、それ以降は折れずに700文字を書ききりました。
斜めから力を加える状況は特殊であるので、不意に折れることもあるかもしれません。
スプリングもすぐに効いてくるので芯がしっかりと守られているという印象です。
強めの筆記と同様に、斜めから力を加える書き方でも芯は折れにくいです。
また、角度的に紙に当たる芯の面積が小さいので芯の引っ掛かりが少しストレスに感じました。
補足.書き心地や違和感はあるか
最後に、折れにくさとは別の視点として、書いていて違和感が出ないかを確認します。
折れにくい代わりに、芯が引っ込む感覚が気になる、書き心地に影響が出るといった点がないかを整理します。
左利きの場合、書く向きの関係でペン先の感触や引っかかりが右利きより感じやすいことがあります。
その点も含めて、デルガード使用時の違和感を確認しました。
書き続けていると、芯先のとがり具合が気になるところもありました。
グリップがプラスチック素材なので、ラバータイプに比べると若干すべりやすい仕様です。
また通常の書き方以外では芯が引っ込む感覚が強くでてきます。
メーカーも故意に筆圧を強くして書き続けたり、連続して斜め方向からの筆記を想定していないはずなので、デルガードは不意に起こる不自然な動作にも柔軟に対応できるペンだと言えます。
検証の結果、
- 通常筆記では芯が折れる心配をほぼしなくてもいい
- 筆圧を強めにしたり斜めからの筆記は継続することが難しく、結果的に通常筆記になる
- グリップの部分がすべりやすいので、書き心地に多少の不満がある
という事がわかりました。
これらをまとめると「連続筆記に多少の疲れがでるかもしれないが、ほとんど芯が折れる心配をしなくてもいい」というのが私の検証の結果です。
まとめ|デルガードは芯が折れる状況を減らすペン

今回の検証の結論として、デルガードは「芯が折れないペン」ではなく、「筆記時の芯が折れる状況を減らすペン」であることが分かります。
筆圧が強くなったり、書き方が安定しない状況が意図せず出てくることがあっても、
折れにくさにおいては一定の効果が期待できるでしょう。
店頭でおすすめするなら、
「芯がよく折れる人」には迷わずデルガードをすすめます。
「基本的には芯が折れる心配はほとんどありません」が、
書き方や角度によっては折れる場面もあると補足しておきます。
デルガードのパッケージには【テストの時も平常「芯」で書ける】と記載されています。テストの時に芯が折れるのではないかと余計な心配をしなくてもいい。
言わば平常心を保つお守りのような存在に位置づけられるのです。
芯が折れるストレスを減らしたい人にとっては、デルガードは選択肢のひとつになるはずです。
一方で、書き心地や感触を細かく重視したい人は、
芯の種類や他のシャープペンとの組み合わせも含めて検討する余地があります。
折れにくさを重視するか、書き心地を重視するか。
デルガードはその比較を考える基準となるシャープペンだと言えるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
